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子宮内膜症

子宮内膜症とは、本来子宮内で増える子宮内膜が、子宮以外の場所で増えてしまう病気です。

子宮以外の場所で増えた子宮内膜から、女性ホルモンの影響を受けて月経と同様に周期的な出血が生じて、炎症や痛みが生じます。

さらに、出血によって大腸や小腸のほか、子宮や卵管など、お腹に存在する臓器がくっついたり(癒着)、チョコレート嚢胞(のうほう)と呼ばれる卵巣内の出血のたまりが生じたりします。

子宮内膜症は、女性にとって最も充実した時期である30〜40代に生じるといった特徴があります。また、完全に治すことが難しく、主たる症状である痛みと不妊が長期にわたり、治療を行っても再発することが多いため、治療も長くなりがちです。

特にチョコレート嚢胞は、約0.5%とごく稀ですが、卵巣癌に変化することがあるため、外来での定期的な経過観察が必要となります。

子宮内膜症の原因

子宮内膜症ができるメカニズムはまだ明らかになっていませんが、これまでの研究から下記のような複数のメカニズムが提唱されています。

① 月経血逆流移植説

月経時に剥がれた子宮内膜が、月経血と共に逆流してお腹の中に拡散したのち、子宮以外の場所で付着。何らかの免疫異常があったり、剥がれた子宮内膜が変質したりすると、付着した子宮内膜が生着し、増殖することで子宮内膜症になるとの説。

② 間葉上皮転換説

子宮が炎症などの刺激を受けることで、間質組織が上皮組織に形質転換し、子宮内膜症になるとの説。

③ 血行性/リンパ行性進展説

月経などで剥がれた子宮内膜が、血管やリンパ管に移行することで、肺、腎臓、皮膚などの臓器に達し、生着・増殖することで子宮内膜症になるとの説。

④ 医原性発生説

帝王切開後のお腹の傷や、分娩時での会陰切開の傷跡に子宮内膜症が発生することから、手術などの医学的処置の際に子宮内膜が付着し、生着・増殖することで子宮内膜症になるとの説。

子宮内膜症の発生場所

基本的には子宮や卵巣の周りに発生しますが、稀に腎臓、食道、肺、横隔膜、尿管、膀胱、大腸、腟、リンパ節などにも認めることがあります。

なお、子宮内膜が子宮の筋肉を構成する子宮筋層の中で発育するものは、子宮腺筋症として子宮内膜症とは区別して考えられています。

子宮内膜症の症状

子宮内膜症は下腹部痛が主な症状であり、月経周期と共に変化します。

主な症状は月経痛

特に月経痛は特徴的な症状と考えられていますが、病気が増悪すると、下腹部痛のほか、腰痛、性交痛、排便痛、排尿痛など、月経時に限らず痛みを認めるようになります。

症状が進行して強い痛みになると、その痛みのために動くこともできず、気持ち悪くなったり、吐いたりしてしまうこともあります。

自覚症状がない場合もあるため注意が必要

しかし、子宮内膜症自体が軽度であっても激しい痛みを感じたり、逆に重度の子宮内膜症があっても全く症状がなかったりする場合もあるため、痛みがないからといって子宮内膜症がないとは限りません。通常、痛みを認めるようになるまでには、発症から数年を要します。

子宮内膜症は不妊の原因になる可能性も

さらに、子宮内膜症である女性の30〜50%は不妊症に、不妊症の女性の約30%は子宮内膜症が存在すると言われ、不妊症の主な原因疾患と考えられています。

子宮内膜症になると、卵子を輸送する卵管がお腹の中で癒着し、卵管が卵子をピックアップできなくなるため、受精卵が形成されなくなり、不妊症になると考えられています。

加えて、子宮内膜組織から分泌される炎症物質によって、卵子の発育、排卵、受精、着床などが絶えず負の影響を受け続けることも、妊娠に不利な要因とされています。

子宮内膜症の発症年齢

月経のある女性の10%〜15%に起こり、10代で発症する場合もあります。多くは20代で発症し、30代で最も多く発症するとされています。

なお、女性ホルモンの1つであるエストロゲンの影響で病気が悪化していくことが分かっており、閉経を迎えるとエストロゲンの分泌が低下するため、子宮内膜症による症状も減少していきます。

エストロゲンの分泌に影響されるため、妊娠に伴う月経のない期間が長い人ほど、発症しにくいと考えられています。

よって、妊娠経験の多い人ほど子宮内膜症が発症しにくく、妊娠経験の少ない人ほど子宮内膜症が発症しやすいことになり、近年の女性の生活習慣や価値観の多様化による晩婚化と少子化により、その患者数は増加しています。

定期検診を受けて、早期発見・早期治療を

症状があるのに放置しておくと、悪化して不妊症となり、将来妊娠しづらくなる場合もあるため、早期発見と早期治療が極めて重要になります。定期的に検診を受けるようにしましょう。

下記のような症状があれば受診をお勧めします

  • 徐々に月経痛が悪化している
  • 激しい月経痛とともに吐き気や嘔吐などが生じる
  • 月経の有無に限らず頻繁に腰痛、下腹部痛、性交痛、排便痛、排尿痛を感じる
  • 子供が欲しいのに1年以上子供ができない(不妊症)

子宮内膜症の診断方法

最初に症状を詳しく聞くことで、子宮内膜症の可能性を考慮したのち、子宮の可動性や痛みの有無を確認します。

続いて超音波検査を行い、子宮や卵巣の腫れがないか確認していきます。
晴れが存在する場合には、CTやMRIなどの骨盤断層撮影によって、さらに詳細に診断していきます。

また、子宮内膜症が増悪している場合には、CA125やCA19-9などの腫瘍マーカーが血液中で増加することが多いので、血液検査でその値を確認します。

ただし、超音波検査や骨盤断層撮影で異常を認めず、腫瘍マーカーも正常値であっても、子宮内膜症の存在を否定することはできないため(臨床的子宮内膜症)、その診断にはしばしば苦慮することがあります。

子宮内膜症の治療

① 薬物療法

1)対症療法

痛みに対する治療として消炎鎮痛剤を使用します。

痛みが軽度の方や妊娠を望む方に対して最初に行います。月経痛の場合には、月経開始前から内服を開始すると効果的です。

しかし、消炎鎮痛剤でも痛みに対処できない場合があることに加え、長期に渡って内服を続けると、胃粘膜に障害が及んで、慢性胃炎や胃潰瘍となるリスクがあります。

さらに、消炎鎮痛剤には子宮内膜症そのものを抑える作用がないため、月経に限らず痛みを感じる場合や、痛みが増悪している場合には、ホルモン療法への切り替えも検討する必要があります。

2)GnRH療法

GnRH作動薬(GnRH Agonist(GnRHa))という、エストロゲンを抑える作用のある薬剤を投与し、閉経状態を作り出すことで子宮内膜症を小さくしていきます。

鼻に毎日スプレーする方法(点鼻投与)と、皮下に毎月1回注射する方法(皮下投与)があり、患者様の希望を聞いて使い分けます。

偽閉経療法とも言われ、薬剤の投与開始から2ヶ月ほどで月経が来なくなる場合が多いですが、投与を継続することでエストロゲンの低下による様々な症状が起きるので(更年期様症状:不眠、頭痛、肩こり、疲労感、のぼせ、ほてり、イライラ、気分の落ち込み、など)、半年間しか使うことができません。

投与を止めると月経は戻りますが、子宮内膜症が再発することで症状は元に戻ってしまいます。よって、手術前にチョコレート嚢胞を小さくする目的で使用したり、閉経が近い年齢の方などの一時的な治療として用いたりする場合が多いです。

3)黄体ホルモン療法(ジエノゲスト療法)

女性ホルモンの1つであるプロゲステロンのセンサー(受容体)に作用して、排卵が抑制されることで月経を抑えられます。

加えて、卵子の発育を抑えられることで、血液中のエストロゲン濃度と子宮内膜の増殖が抑えられます。

さらに、子宮内膜細胞に直接作用して、直接的に子宮内膜細胞の増殖が抑えられます。この作用によってチョコレート嚢胞も縮小していきます。エストロゲン濃度は緩やかに低下していくため、作用が穏やかで比較的副作用が少なく、長期に渡って使用しても、有効性と安全性が示されています。

女性ホルモンを必要以上に下げないことから、更年期症状が起こりにくく、骨を弱める(骨粗鬆症)こともありません。

副作用として、子宮内膜が薄くなって剥がれやすくなるため、不正性器出血を認めることがあります。しかし、内服を続けることで不正性器出血の頻度と期間は減少していきます。

一方で、子宮内膜症の病巣を完全に消失させることは困難なので、投与を止めると月経は戻り、子宮内膜症が再発することで症状は元に戻ってしまいます。

4)低用量ホルモン療法

低用量ピルに含まれるエストロゲンとプロゲステロンが、脳下垂体に作用してFSHとLHの分泌を抑制することで、排卵が抑制され痛みが軽減します。

また、エストロゲンとプロゲステロンの投薬を継続することで、子宮内膜の増殖が抑えられ症状の悪化を抑えられます。

さらに、子宮内膜症の組織が増えるためには、通常の子宮内膜組織よりも多くの女性ホルモンが必要とされるため、低用量ピルの内服によって卵巣からの女性ホルモンの分泌が停止することで、子宮内膜症の組織が小さくなり症状が改善します。

GnRH療法や黄体ホルモン療法ほど安定した治療ではありませんが、子宮内膜症に対する薬物療法は、痛みに対して長期間の投与を必要とされる場合が多いので、骨粗鬆症など骨への影響が少ない低用量ピルは、特に再発した場合などに有効な方法です。

また、投与を止めると月経は戻り、子宮内膜症による症状は元に戻ってしまいますが、安全性の高さと費用の安さから、近年、使用頻度が増加しています。

投薬初期の不正性器出血の他に、血栓症や肝機能障害などの副作用がごく稀に生じることがあるので、外来での定期的な安全確認が必要となります。特に喫煙者や高血圧の方は注意が必要となります。

③ 手術療法

病気の進行具合、嚢胞のサイズで切除範囲が異なります

薬物療法で治療困難な場合には手術療法を行い、子宮内膜症の組織を除去したり、癒着を剥がしたりします。

また、チョコレート嚢胞は卵巣癌に変化することもあるため、サイズが大きい場合には嚢胞を切除する必要があります。

しかし、チョコレート嚢胞を切除する行為は、一部の正常な卵巣組織も切除され、妊娠率が低下してしまう危険性もあるため、その適応は慎重に考慮されます。

付属器切除術

チョコレート嚢胞は普通の卵巣組織より約20倍も癌化しやすいと言われており、一般的には、5~6cmを超えるサイズの場合には手術による切除が検討されます。特に10cmを超える場合は卵巣癌のリスクが高まるため、チョコレート嚢胞を卵巣や卵管と共に切除する方法(付属器切除術)も検討されます。

また、腫瘍マーカーの値が極めて高かったり、急激に上昇したりする場合にも、卵巣癌のリスクが高まるため子宮付属器切除術が検討されます。

子宮全摘術

妊娠を望まない場合には、子宮付属器切除術に加えて、原因となる子宮を切除する方法(子宮全摘術)も検討されます。

腹腔鏡手術と開腹手術

手術による腹部へのアプローチには、2つの方法(腹腔鏡手術と開腹手術)があります。

腹腔鏡手術は、腹部に複数の小さな穴を開け(通常は5〜10mmの穴を3〜4カ所開ける)、この穴から手術をする方法です。痛みや身体への影響が少ないため、早期に退院することが可能です。

美容上も優れていることから、現在では殆どの施設が腹腔鏡手術で手術を行っています。

しかし、チョコレート嚢胞の大きさや位置、さらには内膜症組織による癒着が強固な場合には、開腹手術で手術を行わなければならない場合もあります。

術後は、薬物療法で再発を予防することもありますが、再発によって繰り返し治療を必要とする場合もあります。

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