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不妊症の検査について

不妊症の検査スケジュール

不妊症の治療を開始するためには、不妊症の原因が何であるかを、正確に把握する必要があります。

一方で下図のように、不妊検査には多くの項目があり、全てを終えるには最低でも1ヶ月はかかります。よって、なるべく効率よく不妊検査を進めていくことは、不妊治療の早期開始につながることになります。

男性の不妊検査

男性側の不妊検査は、精子に関する検査と感染症に関する検査に分かれます。

精子に関する検査には、一般的な精液検査と、正常形態率をより正確に測定するためのクルーガーテストがあります。感染症採血は、性行為感染症を主な標的として行なわれます。

女性の不妊検査

一方、女性側の不妊検査は、月経周期に関連した検査と、月経周期に関連しない検査に分かれます。

月経周期に関連した検査

月経周期に関連した検査には以下のような検査があります。

  • ホルモン採血として低温期ホルモン採血と高温期ホルモン採血
  • 排卵時期の推定と排卵の確認に用いられる経腟超音波検査と尿中LH検査
  • 子宮と卵管の状態を確認する子宮卵管造影と超音波卵管疎通性検査
  • 子宮頸管粘液の機能を評価する性交後検査(ヒューナーテスト)
月経周期に関連しない検査

月経周期に関連しない検査には、以下のような検査があります。

  • 妊娠前の全身状態を把握するための測定(血圧、脈拍、身長、体重)と採血(一般採血と感染症採血)
  • 癌検診としての子宮頚部細胞診
  • 不妊に関与する感染症であるクラミジア検査
  • 女性の体内で精子の活動を低下させる抗精子抗体検査
  • 卵巣内に残された卵子の数を間接的に推定する抗ミュラー管ホルモンの検査

不妊症の検査項目

不妊症の検査項目の中でも特に初診時の検査は、不妊症の原因だけでなく、基本的な健康状態を調べる目的もあります。

糖尿病や高脂血症などの成人病も含め、病気に罹患していると不妊症になりやすいからです。よって、検査の項目や目的のほか、時期などもきちんと理解した上で検査を受けましょう。

女性側の検査項目

月経周期に関連した検査と、月経周期に関連しない検査の、大きく2つに分かれます。

① 月経周期に関連した検査
1. 基礎体温測定

なるべく毎朝、決めた時間で起き上がる前に、婦人体温計を口の中に入れて計測します。

基礎体温表には、基礎体温のほか、月経量や月経痛の有無、不正出血の有無、夫婦生活の日などを記入します。
一般的に基礎体温は、低温相が約14日間、高温相が14日間になります。

低温相と高温相の2相性に分かれていれば、排卵しているのか、さらに排卵日はいつだったのか、おおよそのことが分かります。

以前は最終低温日が排卵日だと考えられていましたが、
最近では最終低温日から高温相の2日目までの間に排卵が起こっていると考えられています。

また、高温相の基礎体温の状態から黄体機能不全の有無を診断することもあります。
低温相と高温相の温度差が0.3℃未満、高温相の日数が9日以内、高温相の途中で体温が一時低下する時は、黄体機能不全があると診断されます。

基礎体温の診断率は約25%と低いですが、基礎体温表を継続して作成することで、排卵の時期はいつだったのか、
正しい排卵の時期に夫婦生活を持つことができたのか、ある程度のことが分かります。

さらに、経腟超音波では判断が難しい、排卵直前なのか直後なのかの判断も、基礎体温から可能となる場合があります。

また、不正性器出血のある方は、基礎体温よりその原因を推測することが可能です。


基礎体温表のダウンロード(PDF)基礎体温表のダウンロード(Excel)


2. 低温期ホルモン検査
卵子が発育して排卵するために欠かせないホルモンの血中濃度を測定します。通常は月経2〜5日目の月経期間中に行われます。

● LH(黄体化ホルモン)、FSH(卵胞刺激ホルモン)

LHとFSHは性腺刺激ホルモン(=ゴナドトロピン)と呼ばれ、脳の一部である下垂体前葉から分泌されて、卵巣を刺激します。刺激を受けた卵巣は、卵子を成熟させ最終的には排卵に至ります。

よって、LHとFSHの血中濃度を測定することは、卵子の成熟や排卵に障害があるか、ある場合にはどこに問題があるかを知るために欠かせない検査です(図1の下垂体ホルモンを参照)。

● E2(エストラジオール)

E2は女性ホルモンであるエストロゲンの一種であり、卵巣から分泌され、卵子が発育するにつれてその分泌量は多くなっていきます。

女性の身体的機能を維持する上で不可欠なホルモンである一方、排卵の時期に大量に分泌されることで血中のエストロゲン濃度が急上昇し、その急上昇によって脳下垂体前葉からLHが過剰分泌され、卵巣が刺激されて排卵に至ります。

月経2〜5日目は最も血中のエストロゲン濃度が低下する時期であり、基礎値とされています。もしこの時期にE2濃度が高いようであれば、採血時期が間違えていた可能性、または卵巣機能が低下している可能性があります(図1の女性ホルモンを参照)。

● PRL(プロラクチン)

PRLも下垂体前葉から分泌されるホルモンであり、出産後から過剰に分泌されることで、乳汁の分泌を制御しています。

出産後ではないのにPRLが過剰に分泌されると、排卵障害の原因になります。

PRLは、全ての哺乳類が持つ太古より存在するホルモンであり、哺乳中の新生児が次に生まれてくる児に乳汁を奪われないようにするため、排卵が抑えられるのだと考えられています。

● TSH(甲状腺刺激ホルモン)、FT3(フリーT3)、FT4(フリーT4)

TSHも下垂体前葉から分泌されるホルモンであり、甲状腺を刺激して甲状腺ホルモンの分泌量を調整しています。

FT3とFT4は、甲状腺ホルモンの中でもサイログロブリンと呼ばれ、甲状腺ホルモンに結合してその作用を抑制する蛋白質が結合していない、全身に作用を及ぼす(=活性型)ホルモンです。

TSHが過剰に分泌されると、排卵障害の原因になったり、流産の原因になったりします。

● TEST(テストステロン)、DHEA-S(デヒドロエピアンドロステロンサルフェート)

TESTはアンドロゲン(男性ホルモン)のひとつであり、女性の体内では殆どが卵巣から分泌され、様々な修飾を受けて女性ホルモンであるエストロゲンに変換されます(図2の右から1番目を参照)。

一方DHEA-Sは、TESTが作られる前段階であるDHEAが、塩酸塩と呼ばれるもので修飾されたものです。女性の体内では殆どが副腎から分泌され、やはり様々な修飾を受けてエストロゲンに変換されます(図2の右から2番目を参照)。

さらにTESTやDHEA-Sは、直接的に女性の体内で作用し、骨格や筋肉の発達を調整したり、性欲や性衝動をコントロールしたりするとされています。過剰な場合には排卵障害の原因となり、排卵障害で最も頻度の高い多嚢胞性卵巣症候群では高値となります。

3. 経腟超音波検査

子宮や卵巣の状態を確認するために行われます。
まず、初めに来院された時には、子宮の大きさ、子宮筋腫、子宮腺筋症の有無、子宮内膜の厚さ、子宮体部ポリープや子宮の奇形がないかどうかを調べ、また、子宮と卵巣の間の癒着を調べます。

さらに、卵管に著明な炎症があり、卵管水腫がある時も経腟超音波検査で診断が可能です。また経腟超音波検査は、排卵時期を特定するためにも用いられます。

一般的には、卵巣内に存在する卵胞の中に卵子が存在していますが、卵子は直径が約0.1mmと顕微鏡でしか確認できない大きさです。よって、約3mm以上のものを識別することが可能な経腟超音波検査では、成熟に伴う卵胞の大きさの変化を捉えることはできません。

そこで、卵子の成熟を間接的に知る方法として、卵胞の大きさを経腟超音波検査で測定する方法が広く用いられています(図1と3を参照)。

一般的に卵胞は、月経後から10mm未満では1日に約1mmずつ大きくなり、10mm以上になると1日に約2mmずつ大きくなります。そして、18〜20mmで排卵することが多いとされています。

一方で、受精卵が着床する子宮内膜は、月経後から1日に約1mmずつ厚くなり、7mm以上で受精可能、排卵直前には10mm以上になることが多いとされています。

これらのデータを基に、経腟超音波を用いて月経から排卵までの間に、子宮内膜や卵胞の計測を複数回行います。

2〜3回計測することで、子宮内膜の厚み(内膜肥厚)と卵胞の大きさ(卵胞発育)をグラフとして描出でき、各個人の内膜肥厚と卵胞発育が一般的な発育と同じか、異なっているのか判断することが可能となるため、排卵の時期を推定することが可能となります。
また、きちんと排卵したかどうかの確認をすることもできます。

4. 尿中LH検査
経腟超音波のほかに、市販品ではなく医療用の尿を用いた排卵検査も行うことで、かなり正確に排卵時期を推定することが可能となります。
5. 子宮卵管造影検査/超音波卵管疎通性検査

子宮卵管造影検査は、造影剤といわれるX線を当てるとレントゲンで白く写る薬剤を、徐々に子宮に注入ながらレントゲン撮影を行うことで、子宮の形や内部に異常がないか、卵管が通って癒着していないかなど、子宮と卵管の状態を間接的に診断する検査です。

一方の超音波卵管疎通性検査は、子宮の入り口からチューブを子宮内に挿入し、そこから微小気泡を含む10%糖液を静かに注入しながら、カラードップラー経腟超音波を用いて行います。

この方法は、子宮卵管造影検査と同程度の診断効果をもつと同時に、検査を受ける際の負担が少ない簡便な検査法であることから、徐々に広まりつつあります。どちらの検査も、月経が終わってから排卵までの間に行います。

月経時の施行は、月経血の中に存在する雑菌が薬剤によって腹部に拡散され、骨盤腹膜炎などの感染症のリスクがあります。また、薬剤の注入により月経血の逆流が生じ、腹部に強い痛みを感じたり、子宮内膜症などの病気を悪化させたりするリスクもあり、検査には適しません。

一方、排卵の時期は、受精卵が存在した場合には薬剤の注入により、受精卵が逆流して子宮外妊娠を来すリスクがあります。また、子宮卵管造影検査の場合には、受精卵にX線を当てることによる胎児への影響も無視できないことから、やはり検査には適しません。

どちらの検査も、実施前にはクラミジアの検査を実施して、陰性であることを確認してから行います。

陽性で感染が疑われる場合には、一般的にクラミジアは感染すると卵管に潜伏することから、造影剤の注入によるクラミジアの腹部への感染拡大を防止するため、抗生剤の内服による治療を行ってから実施します。

子宮卵管造影検査や超音波卵管疎通性検査には、妊娠率が向上する効果もあるので、検査を行った月経周期の排卵日には、夫婦生活の指導を積極的に行っていきます。

6. 性交後検査(ヒューナーテスト)

精子と排卵の時期に子宮の出口で分泌される子宮頸管粘液との適合性を調べる検査であり、ヒューナーテストとして知られています。推定された排卵日に夫婦生活を行っていただき、性交から3〜11時間の間に頸管粘液内の運動精子を調べます。

排卵誘発剤を服用している場合には、頸管粘液が少なくなることが多いため、一般的には自然周期に行われます。

頸管粘液が0.2ml以下の場合は、検査に適した状態ではないため再検査となることがあります。その後の月経周期でも頸管粘液が0.2ml以下であれば、頸管因子の異常ありと診断されます。

実際の方法は、腟内と子宮口から頚管粘液を採取したのち、400倍の顕微鏡下でそれぞれを観察します。そして5視野を観察し、平均的な1視野中の全精子数と運動精子数をカウントして、検査結果とします。

一般的に、運動精子数が1視野に5個未満である場合には、検査不良と診断されます。
しかし、精子の状態はその日の体調で大きく変化することが多いため、3ヶ月以内に再検査を実施することが多いです。

一方、腟内と子宮口の療法で精子を見つけることができない場合には、性交障害か無精子症の可能性があると診断されます。

検査不良や性交障害の可能性があると診断された場合には人工授精へのステップアップを、無精子症の可能性があると判断された場合には、精子が本当に男性側に存在しないのか、さらに精密な検査を進めます。

7. 高温期ホルモン検査

受精卵が子宮に着床するために欠かせないホルモンの血中濃度を測定します。通常は推定された排卵日から7〜10日後に行われます。

● E2(エストラジオール)、P4(プロゲステロン)

排卵に至った卵胞は、卵子をお腹の中に放出したのち収縮し、残った内部組織が出血と混じり合って最終的に黄体と呼ばれる組織を形成します。

形成された黄体は、やがて多量のE2とP4を分泌するようになります(図1と3を参照)。

一方、子宮では排卵までの間にE2によって子宮内膜が肥厚していき、排卵後は黄体から分泌されるE2とP4の作用によって、受精卵の着床と妊娠の維持に必要な「脱落膜化」とよばれる細胞変化が生じます。

このE2とP4を分泌する卵巣の機能(黄体機能)を評価するために検査が行われ、黄体機能が低下していると脱落膜化か不十分となって着床率が低下します。

② 月経周期に関連しない検査
1. 生体情報検査

血圧、脈拍、身長、体重などを測定することで、不妊症に関連する隠された疾患やリスクがないかを確認します。

重症高血圧の方は、治療で血圧が下がるまで妊娠を許可できなかったり、頻脈や徐脈の方は、甲状腺疾患が隠されている可能性があったりなど、不妊治療を行う上で同時に治療を必要とする疾患が、存在することがあります。

一方、身長が低く無月経の女性はTurner症候群、身長が高く無精子症の男性はKlinefelter症候群など、身長から不妊症の原因を推定できる場合もあります。体重では、痩せの体型で無月経の女性は体重減少性無月経、ふくよかな体型で無月経の方は多嚢胞性卵巣症候群など、体重からも不妊症の原因を推定できる場合もあります。

2. 子宮頚部細胞診
子宮頸癌がある場合、命に関わる可能性があるため、不妊治療よりもその治療が優先されます。場合により、不妊治療を断念せざる負えないこともあります。
3. クラミジア検査

性行為感染症であり、卵管機能障害による不妊症の約35%が、クラミジアの感染によるものと考えられています。

一般的には、感染が拡大するまで無症状のことが多く、治療の開始が遅れがちになります。

無治療でいる場合、子宮や卵管を通じてお腹の中まで感染が及び、お腹の中で生じる癒着や、卵管留膿腫や骨盤腹膜炎などの原因となって、強度の腹痛を引き起こすことがあります。

不妊症の原因にもなり、お腹の中の癒着は卵管の動きを妨げ、排卵された卵子が卵管内に入らず、受精卵が発生しなくなります。また、クラミジアに感染すると、卵子や受精卵の輸送を担う卵管内の絨毛が破壊され、子宮外妊娠や卵管閉塞の原因になることもあります。

検査法には、子宮頸部を綿棒で擦過してクラミジアの存在を直接調べるクラミジア抗原検査と、感染すると体内で作られる血清中の抗クラミジア抗体を調べる抗体検査(IgAとIgG)があります。

4. 一般検査

血液検査を行うことで、生体情報検査と同様に、不妊症に関連する隠された疾患やリスクがないかを確認します。

貧血や炎症反応のほか、肝臓や腎臓の機能、膵臓や胆嚢の機能を検査します。さらに、糖尿病や高脂血症の有無を調べ、不妊症の原因となっている疾患がないか確認します。

5. 感染症検査

B型肝炎、C型肝炎、エイズ、梅毒、成人型T細胞性白血病など、性行為によって相手に感染する感染症の中でも、胎児感染を来す可能性のあるものを対象として、採血にて行います。

妊娠前に感染症の有無を調べることで、妊娠直後から胎児への感染を防ぐ方法をとることが可能となります。

6. 抗精子抗体(精子不働化抗体)

不妊症の方の約2%が保有していると考えられ、精子の活動を低下させたり抑制したりします。

採血の結果、低値の場合には人工授精で妊娠できる可能性がありますが、高値の場合には、同抗体によって受精卵の発生が阻害されるため、顕微授精も含めた高度生殖医療を行う必要があります。

7. 抗ミュラー管ホルモン(AMH)

発育前の卵胞(原始卵胞)から分泌されるため、採血によって卵巣内に残った原始卵胞の数を、ひいては卵胞内にある卵子の数を間接的に知ることができます。一般的に卵子は、年齢の上昇とともに卵巣内で減少していきます。

しかし、何らかの理由で原始卵胞の数が少ない方がいます。

一方、AMHは「卵巣年齢」と言われることが多いですが、実際には卵子の数を間接的に表しているだけであり、卵子の質は評価できません。

卵子の質である遺伝子や染色体は、年齢とともに異常の割合が増加していきます。よって、年齢が35歳未満であるAMH低値の方は、卵子の質的異常が少ないため、あまり気にする必要はありません。

しかし、一般的に年齢とともに妊娠率は下がっていくため、計画的な不妊治療を行う必要があります。

一方、年齢が35歳以上であるAMH低値の方は、残された原始卵胞の数が少ない上に、卵子の質的異常が年齢とともに急激に増加していくため、一般的には妊娠率の高い人工授精以上の治療方法が選択されます。

この様に、AMHの測定は、どの方法から不妊治療を開始していくかを決定する上で、とても重要な検査です。

8. その他の検査(特殊検査)

一般的な不妊症の検査結果を基に、さらに必要な検査を追加する場合もあります。子宮や卵巣に形態的な異常がある場合には骨盤MRI検査を、糖尿病や耐糖能異常が疑われる場合には血中のインスリン濃度の測定や糖負荷検査が行われます。

さらに、子宮内膜ポリープでは子宮鏡を、子宮内膜症や卵巣嚢腫の異常では内視鏡を、それぞれ用いて直接的に子宮やお腹の中に異常がないか調べたりもします。

これらの特殊検査は、大がかりな医療器具を必要とし、当クリニックでは行うことが難しいため、連携先病院で受けて頂くことになります。

男性側の検査項目

精子や精子に関連した検査と、感染症関連した検査に分かれます。

① 精子や精子に関連した検査
1. 精液検査

3日から7日の禁欲の後に行われ、世界保健機構(WHO)が2010年に定めた下記の正常値が一般的には用いられます(表1)。

(表1)

検査項目 正常値
精液量 1.5ml以上
精子濃度 1500万/ml以上
運動率 40%以上
前進率 32%以上
正常形態率 4%以上(*塗沫標本にて)

精液検査で異常があった場合には、それぞれに対して病名がつけられ(表2)、極度に不良である場合には、顕微授精や精巣内精子回収術(TESI)も含めた高度生殖医療が、治療の開始から選択される場合もあります。

(表2)

病名 精液所見
精子減少症 精子濃度が低下
精子無力症 運動率または前進率が低下
奇形精子症 奇形率が上昇
乏精子症 精子濃度・運動率・正常形態率の全てが異常
無精子症 精液中に精子が存在しない
乏精液症 精液量が低下
2. クルーガーテスト

精液検査の項目の中で正常形態率は、運動精子をホルマリン等で固定したのち、顕微鏡で見やすく染色(Diff-Quik染色)して観察する「塗沫標本での観察」を要求されており、運動精子をそのままの状態で観察する一般的な「精液検査」では、正しく診断できません。

その理由は、ほかの精液検査の項目とは異なり(2進法での診断)、精子の形態は多くの種類に分類されるため(表3:多進法での診断)、動いている状態の精子を用いた正常形態率の算出は、人間の目では極めて困難となります。

(表3)

クルーガーテストは、この「塗沫標本での観察」を、静止した約200個の精子で実施することにより、通常の精液検査よりも正しい正常形態率を算出することができる検査と言えます。

当クリニックでは、この精液検査にクルーガーテストを加えた世界基準の検査を、標準検査として実施します。

女性の場合では、精神的なストレスが強かったり過労だったりすると、月経不順になることはよくあります。いつも排卵しているのにもかかわらず、一時的に無排卵になることもあります。

同様に男性の造精機能も、疲労やストレスの影響を大きく受けます。よって、初回の精液検査の結果が悪くても落ち込まず、3ヶ月以内に再度、精液検査を受けることをお勧めします。

再検でも精液検査の結果が悪い場合は、たまたま初回の精液検査を行った時に、ストレスが強かったり過労だったりしたためとは言えず、いつも精子の状態が悪い可能性が高くなるため、亜鉛やコエンザイムQ10などのサプリメントを試したり、当帰芍薬散などの漢方薬の服用を始めたりして、精子の状態改善を図る必要があります。

それでも改善しない場合には、妊娠率の高い人工授精以上の治療方法が選択されます。

② 精子や精子に関連した検査
1. 感染症検査

女性側の検査項目と同じく、採血にてB型肝炎、C型肝炎、エイズ、梅毒、成人型T細胞性白血病などを調べます。

男性側がこれらの感染症に感染している場合、精子を介して女性側へ感染が及ぶことにとどまらず、胎児にまで感染が及ぶ可能性があるため、感染のリスクを回避することを目的として、精子を洗浄する人工授精以上の治療方法が選択されます。

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